(2022年8月発行)

ガバナンス

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進化を続けるガバナンス

2010年に持株会社として設立された当社は、人口減少、高齢化、低水準の経済成長に直面する日本を主要なマーケットとする損害保険グループとして、この先いかに持続的な成長を実現するかという課題に、「安心・安全・健康のテーマパークへのトランスフォーメーションを目指す」という答えを出しました。以降、トランスフォーメーションをより発展的かつ確かなものにしていくために、ガバナンスもトランスフォーメーションし続けてきました。

「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」というSOMPOのパーパスの実現には、多様性あふれるメンバーによる未来に向けた議論とそれらを通じた質が高く敏捷な意思決定が不可欠であり、それを支えてきたのがSOMPOのガバナンスです。

図:2010年NKSJホールディングス設立、2014年損害保険ジャパン日本興亜発足、2015年介護事業への本格参入、2016年SOMPO Digital Lab設置、2017年Endurance買収によるグローバルプラットフォームの構築、2019年Palantier Technologies Japan設立。

遠心力と求心力を掛け合わせた執行体制へ

傘下の損害保険事業会社の合併(2014年)以降、当社は、「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現に向け、介護事業への本格参入(2015年)、SOMPO Digital Lab設立(2016年)、Endurance社の買収によるグローバルプラットフォームの構築(2017年)などの経営基盤づくりを進めてきました。

現在のSOMPOの骨格を形作るこれらのトランスフォーメーションを可能としたのが、事業オーナー制とグループ・チーフオフィサー(CxO)制によるマトリクス型のガバナンスです。事業オーナーには事業の最高責任者として大幅な権限を付与することで、事業の方針決定、事業計画の遂行などを通じてグループの成長・拡大を牽引する仕組みとする一方、グループ共通課題については、それぞれの領域で高い専門性を持つグループ・チーフオフィサー(CxO)に影響力を横断的に発揮できる権限を与えています。

このようなグループの遠心力と求心力を掛け合わせた執行体制により、テーマパークに向けたトランスフォーメーションを推し進めてきました。

ガバナンストランスフォーメーションの加速

このようにして築いてきた経営基盤の上で、テーマパークに向けたトランスフォーメーションをさらに加速させるべく、2019年には指名委員会等設置会社への移行に加え、執行の会議体として「Global ExCo」および「MAC(経営執行協議会)」を設置しました。

このガバナンス改革では、経営の監督と業務執行を分離して、執行に大幅な権限移譲を行うことで、専門的な知見を持つ社外取締役が、執行の監督および重要な経営方針の決定に注力することができる効果的な監督・執行体制を実現しました。

そして執行においては、これまで日本人を中心に議論してきた経営会議のあり方を大幅に見直し、執行部門の最高位の会議体Global ExCoを設置しました。Global ExCoでは、国籍やバックグラウンドが異なる役員が、真にダイバーシファイされた視点でグループの重要課題を議論し、ベストプラクティスを共有し合い、保険だけではない世界中の情報に触れながら意思決定するなど、SOMPOのトランスフォーメーションを推し進める原動力として機能しています。

このガバナンスが、現在のRDP構想につながるパランティアとの新会社設立やコングロマリット・プレミアム創出に向けたシナジーの発揮など、SOMPOのトランスフォーメーションの土台となってきました。

当社グループの「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現に向けたトランスフォーメーションは今後も続いていきます。引き続き、持続的成長に向け、最適なガバナンスを追求していきます。