(2023年8月発行)
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SOMPOのパーパス経営

価値創造の原動力

原動力ルート(I&D)

多様性を力とした組織力の向上

SOMPOのパーパス実現には、イノベーションの創出が不可欠であり、その鍵を握るのが 「インクルージョン&ダイバーシティ(I&D)」です。イノベーションは、ジェンダー・障がいの有無・国籍・年齢・職歴など、多様な価値観やスキルを有した人材による協働や議論を通じて創出されるとの考えのもと、さまざまな取組みを進めています。

3つのコア・バリューを共有する人材集団の実現

当社グループでは「ミッション・ドリブン」および「プロフェッショナリズム」に並んで、「ダイバーシティ&インクルージョン」を社員が共有すべき3つのコア・バリューに位置付けています。各職場で働く社員一人ひとりが、それぞれの才能や強みを活かし、お互いを認め合うI&Dカルチャーを醸成していくことでイノベーションを創出し、その先にあるSOMPOのパーパス実現を目指していきます。

図:MYパーパスの追求→3つのコア・バリューを共有する人材集団の実現(ミッション・ドリブン、プロフェッショナリズム、ダイバーシティ&インクルージョン)→SOMPOの人材・組織変革の目的達成→SOMPOのパーパス 安心・安全・健康のテーマパーク

MYパーパスの共有によるI&Dカルチャーの醸成

「I&D」を浸透させていく鍵となるのがMYパーパスです。お互いのMYパーパスを尊重し認め合うことは、組織の心理的安全性を高め、ジェンダー・障がいの有無・国籍・年齢・職歴など、多様なバックグラウンドや価値観が共存したインクルーシブなカルチャーを醸成していく土台となります。実際にMYパーパスにもとづく対話を実践している組織ほど、多様な価値観を認め合う傾向が強いことを社内のデータ分析からも確認しています。

●「MYパーパス」と「I&D」の相関関係

I&Dをはじめとするさまざまな人的資本データを活用・分析したところ、MYパーパスを共有している組織ほど、「多様な価値観を認め合う意識が高い」傾向にあることがわかってきました。同様に、「多様な価値観を認め合う意識が高い」組織ほど、「MYパーパスの実現に向けたチャレンジが増加する」ことも確認しています。

※当社での分析は、SOMPOグループの従業員を対象にしたエンゲージメント・サーベイ結果にもとづき、SOMPOインスティチュート・プラスが実施したものです。

図:「MYパーパスにもとづく対話」と「互いの価値観の尊重」の相関関係。相関係数 0.78

多様なMYパーパスの実現を支援する仕組み

●自己選択型のキャリア形成制度

当社では多様なMYパーパスの実現を支援する仕組みとして、本人の同意なき人事異動は実施せず、部長・課長・担当層への立候補制度を導入するなど、本人主導のジョブ選択を中心とする自律的キャリア形成を進めています。グループ各社においても、それぞれの事業特性をふまえ、会社主導の異動・転勤の見直しの議論・検討や、自己選択型のキャリア形成制度の拡充を進めています。

図:自己選択型のキャリア形成制度。MYパーパス、ライフステージ、キャリアステージの変化に応じて自律的にジョブやポストを選択できます。

●企業内オンライン大学の設立

損害保険ジャパンでは、MYパーパスにもとづく「自律的な学び」を仕組化・促進していくことを目的として、2020年10月に企業内オンライン大学「損保ジャパン大学」 を設立しました。損保ジャパン大学はオンライン形式のため、社員は場所や時間、現在の業務にとらわれることなく受講できます。さまざまな知識を得る機会を均等に提供することにより、多様な人材による学びやチャレンジ、教え合い・学び合いの風土の醸成と定着を目指しています。

図:損保ジャパン大学と社員が相互に成長する

多様な人材の獲得および戦略的配置 (ジェンダーギャップの解消・障がい者雇用の促進・キャリア採用)

企業経営における健全なジェンダーバランスや多様なバックグラウンドを持つ人員構成を検討していくことは、トークニズムを排除し、企業のガバナンス強化はもちろん、イノベーションを通じた持続的な成長に寄与するものと考えています。当社グループでは、経営上の意思決定に影響力を持つ女性管理職比率を30%以上、障がい者雇用率を2.5%とする数値目標を設定し、2024年4月1日までの達成に向けて取組みを進めています。

当社グループでは、グループCEO、グループCOO、グループCxO、事業オーナーをはじめとする国内外各事業の重要ポストなど、グループキーポスト(計86ポスト)におけるサクセッション・プランを策定しています。現在、サクセッション・プランにおける女性候補者比率は41.9%(2022年度末時点)となっており、将来的には50%とすることを目標にしています。

I&Dの推進、高度専門人材の獲得を主な目的に、キャリア採用にも積極的に取り組んでいます。当社では2020年4月の採用を開始後、3年間で社員数の約3割にあたる約150名のキャリア採用を実施しました。部長・課長・担当者のそれぞれのポストにキャリア採用者を配置し、既存の内部人材の一人ひとりが持つ強みと融合することで、新たな価値創造へとつなげています。

MYパーパスの実現の基盤となる健康経営® *1

MYパーパスの実現のためには、心と体の健康が保たれていることが重要であると考えています。当社グループでは社員の健康維持・増進を経営の重要なテーマの1つと位置づけています。健康経営®に関連するデータ(プレゼンティーズムやストレスチェックなど)は、当社の「人的資本インパクトパス」の中でも重要なKPIとして設定されており、財務価値・未実現財務価値との関連性の分析を進めています。

KPI項目 2020年度 2021年度 2022年度
女性管理職比率*2 24.2% 26.8% 28.1%
女性役員比率*3 8.6% 9.0% 11.5%
サクセッションプランにおける女性候補者比率 25.4% 32.4% 41.9%
外国籍役員比率*4 12.1% 14.7% 15.2%
男女間の賃金格差*5 67.2%
男性育休取得率 71% 75%
障がい者雇用率*3 2.42% 2.41% 2.36%
健康経営®優良法人認定社数 20社 22社 22社
健康経営®に関連する生産性指標(WLQ) 93.8% 93.8% 93.5%

*1 健康経営®は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

*2 2020年度は3月31日時点の数値。2021年度、2022年度は翌年度4月1日時点の数値

*3 翌年度4月1日時点の数値

*4 翌年度7月1日時点の数値

*5 SOMPOホールディングス単体の数値