(2023年8月発行)
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SOMPOのパーパス経営

未実現財務価値の向上に向けて

人的資本インパクトパスの可視化

SOMPOの未実現財務価値の可視化に向けた取組み

当社では、MYパーパスを起点とした人的資本関連の取組みなどによって生み出される中長期的に財務価値・企業価値につながる価値を「未実現財務価値」と呼び、グループ全体でその向上に取り組んでいます。そして、それらをインパクトパスとして描き可能なかぎり可視化することで、パーパス経営をエビデンスベースで着実に進め、持続的な成長と企業価値の向上につなげるべく取り組んでいます。
SOMPOのパーパスの実現に向けたパスを描いた「価値創造サイクル」を活用し、未実現財務価値の向上に向けた主要レバー/KPIを定め、これらの指標の一つひとつの向上を通じて、パーパス経営の進展をステークホルダーの皆さまに示していきます。

※財務諸表に表れない価値は、一般的に「非財務価値」と呼ばれていますが、これらが中長期的に財務価値・企業価値につながるものであることをふまえ、当社では「未実現財務価値」と呼んでいます。

インパクトパス高度化の取組み

当社では、MYパーパスの追求を出発点に、人的資本の向上に向けたさまざまなアクションが、どのようにエンゲージメントを高め、I&Dを加速し、チャレンジ・イノベーションの総量を増やし財務価値ひいては企業価値の向上につながっていくのか。その道筋を“人的資本インパクトパス” と呼び、その可視化とそれに則した実践にチャレンジしています。

今年度は、前年度の内容をベースにインパクトパスの高度化に注力しました。具体的には、SOMPOグループ全体の現場で観測された変革事例と社内で測定した実データから、MYパーパス起点の人的資本関連のアクションが生み出す「変化のメカニズム」の特定に取り組みました。昨年度のインパクトパスにおける、「個人力の向上」・「組織力の向上」と表した変化の項目を、 “内なる変化”としてとらえ、「個人」・「関係性」・「組織」の3つが相互に影響・変化しエンゲージメントの向上につながっていくメカニズムとして詳細化しました。他方でチャレンジ・イノベーションの増加、そしてそれがアウトカムにつながる変化の項目を“表出する変化”としてとらえ、そのパスの導出にも取り組みました。

図:MYパーパスの追求+多様な働き方の推進→エンゲージメントの向上→行動(チャレンジ)→社内・社外の巻き込み→未実現財務価値→財務価値→パーパスの実現
アクション~内なる変化のKPI
KPI 具体的内容 2022年度実績
MYパーパス 役職員数 74,654人(男性27,446人、女性47,208人)
MYパーパス研修受講率 90%*1
エンゲージメント 従業員エンゲージメント 国内 3.50pt 海外4.12pt*2
健康経営®に関連する生産性指標(WLQ) 93.5%
健康経営®優良法人認定社数 22社 (大規模14社、中規模8社)
I&D関連 女性役員比率 (2023年4月1日時点) 11.5%
外国籍役員比率 (2023年7月1日時点) 15.2%*3
サクセッション・プランにおける女性候補者比率 41.9%*4
女性管理職比率 (2023年4月1日時点) 28.1%
障がい者雇用率 (2023年4月1日時点) 2.36%

*1 当社および国内グループ会社の受講率

*2 GallupQ12の平均得点。2023年度末の目標値は、国内3.70pt/海外4.10ptに設定

*3 当社の取締役、執行役、執行役員における比率(5/33名)

*4 グループCEO、グループCOO、グループCxO、事業オーナーをはじめとするキーポスト(86ポスト)が対象

表出する変化~アウトカムのKPI
KPI 具体的内容 2022年度実績
チャレンジ SOMPOアワード応募数 993件
コミュニケーション SOMPOアワード社員投票数 7,493票
品質/お客さま評価 重点販売商品の販売件数・保険料 販売件数39.9万件 保険料45.3億円
自動車事故の保険金支払に関するお客さま満足度 対前年比 0.8pt低下
Insurhealth®の販売件数/保有件数 販売件数44万件 保有件数110万件
マイリンククロス会員数 77万人
介護利用者数 9.2万人
ソリューション 介護RDP(『egaku』)の営業利益 目標値:2030年までに100億円*5
RDP活用商品・サービスの外販・収益化 2023年度より『egaku』が事業化
社会インパクト 介護RDP(『egaku』)が創出する社会インパクト 目標値:2040年までに3.7兆円*5
投融資GHG削減率 2019年比 11%削減*6

*5 2023年度の事業化のため、目標値を記載

*6 2021年度の実績値を記載