2010年に持株会社として設立された当社は、人口減少、高齢化、低水準の経済成長に直面する日本を主要なマーケットとするグループとして、この先いかに持続的な成長を実現するかという課題に、「安心・安全・健康のテーマパークへのトランスフォーメーションを目指す」という答えを出しました。2021年にはSOMPOのパーパスとして「“安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」ことを掲げ、社会に提供していく価値を明確化しました。
グループが進むべき方向を明確に示し、その実現に向けてトランスフォーメーションを主導し、積み重ねてきたのがSOMPOのガバナンスです。
遠心力と求心力を掛け合わせた執行体制
傘下の損害保険事業会社の合併(2014年)以降、当社は、「安心・安全・健康のテーマパーク」の実現に向け、介護事業への本格参入(2015年)、SOMPO Digital Lab設立(2016年)、Enduranceの買収によるグローバルプラットフォームの構築(2017年)などの経営基盤づくりを進めてきました。
現在のSOMPOの骨格を形作るこれらのトランスフォーメーションを可能としたのが、事業オーナー制とグループ・チーフオフィサー(CxO)制によるマトリクス型のガバナンスです。事業オーナーには事業の最高責任者として大幅な権限を付与し、事業の方針決定、事業計画の遂行などを通じてグループの成長・拡大を牽引する役割を与える一方、それぞれの領域で高い専門性を持つグループ・チーフオフィサー(CxO)に影響力を横断的に発揮できる権限を与えることで遠心力と求心力を掛け合わせた執行体制を構築し、テーマパーク構築に向けたトランスフォーメーションを進めてきました。
パーパス実現に向けたさらなるトランスフォーメーションの加速
このようにして築いてきた経営基盤の上で、トランスフォーメーションをさらに加速させるべく、2019年には指名委員会等設置会社への移行と「Global ExCo」からなる体制変更を実施しました。このガバナンス改革では、経営の監督と業務執行を分離し執行に大幅な権限委譲を行うことで、専門的な知見を持つ社外取締役が監督および重要な経営方針の決定に注力できる効果的な監督・執行体制を実現しました。
そして執行においては、最高位の会議体Global ExCoを設置しました。Global ExCoでは、国籍やバックグラウンドが異なる役員が、真にダイバーシファイされた視点でグループの重要課題を議論し、ベストプラクティスを共有し合い、保険だけではない世界中の情報に触れながら意思決定する。それがパーパス実現に向けたSOMPOのトランスフォーメーションを推し進める原動力となっています。
このガバナンスが、グループの成長と収益の基盤となるグローバルプラットフォーム(損害保険)や介護リアルデータプラットフォーム『egaku』につながるパランティアとの新会社設立など、SOMPOのトランスフォーメーションを主導し支えてきました。
SOMPOのパーパス実現は長きにわたるジャーニーです。これからも生きたガバナンスを土台に、その実現に向けたトランスフォーメーションは続いていきます。