(2023年8月発行)

取締役会の特長

取締役会の機能・役割について

取締役会は、法令または定款で定められた責務を履行するほか、取締役会規則に定める経営に関する重要項目を決定するとともに、業務執行の状況に対して、監督機能を発揮することを目的としています。

監督の実効性が確保されるよう社外取締役が多数を占める構成とし、かつ十分な多様性が発揮されるようジェンダーや国際性などを考慮するとともに、会社経営者、学識者および法曹・財務・会計に関する専門的知見を有するメンバーを選任することで、高い透明性と公正性の向上を実現していくガバナンス体制を構築しています。

取締役会の実効性を確保・向上するための取組み

取締役会の監督機能発揮による好循環サイクル

図:取締役会→監督機能の発揮→執行部門(取締役会での議論内容をふまえた施策の検討と実行)→検討・実行結果報告

取締役会の実効性確保・向上について、取締役会議長をはじめ全取締役がその必要性を強く認識しており、以下の具体的取組みによって、1年を通じて、絶えず経営状況に関する適時適切な情報共有をもとに取締役会での議論を行い、意見を活用していくサイクルを確立しています。

①取締役会の事前説明会の実施・活用

取締役会において建設的で充実した議論が行われるよう、開催の都度、社外取締役全員を対象に事前説明会を開催し、取締役会ではそこでの意見や質疑もふまえて議論を行うこととしています。

事前説明会と取締役会を一体的に運営することで、効率的かつ充実した議論がなされ、社外取締役の見識や視点が取締役会に直接的に反映される仕組みとして確保されています。

②取締役会の監督機能の発揮に向けた取組み

取締役会と執行部門の間に距離感を生ませず、十分な意思疎通が保たれるよう、取締役が執行状況を把握するための情報連携を強化するなど、監督機能の発揮に資する取組みも意欲的に行っています。

具体的な取組み
  • 取締役会において事業オーナーとグループ・チーフオフィサーが一堂に会して行う業務執行報告
  • Global Executive Committeeおよび経営執行協議会(Managerial Administrative Committee)への取締役のオブザーブ参加やその他会議体へのアクセス
  • 取締役会付議事項に限定することなく、執行のタイムリーな情報を社外取締役に報告する情報共有会の開催
  • 執行情報に関するフリーディスカッションの開催
  • 社外取締役と代表執行役の意見交換 など

取締役会の実効性評価

PDCAサイクルによる取締役会の実効性向上

当社は、取締役会の実効性を高めるための取組みとして、各取締役の自己評価を含むアンケートを年1回実施し、取締役会全体の実効性について分析・評価をする機会を設けています。取締役の意見を積極的に採り入れ、抽出された課題やさらなる進化に向けた対応方針を確認し、取締役会の機能発揮に資する具体的な取組みの実行を通じたPDCAサイクルにより、取締役会の機能向上、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。

取締役会実効性向上のためのPDCAサイクル

図:STEP1 分析・評価→STEP2 対応方針の決定→STEP3 実行→

2022年度の評価結果と2023年度の取組み

2022年度の 取組みへの 主な評価
  • 取締役会と一体運営している事前説明会については、活発な意見交換がなされており、極めて有用であると評価された。
  • 取締役会本会議での審議が以前より充実したとの評価がある一方、本会議では事前説明会に出席していなかった他の役員からの補足や視点があるとよいとの意見、本会議で議論すべき点をさらに明確にしていくべきとの意見がなされた。
  • 前年度に拡充したフリーディスカッションを引き続き実施し、執行部門による報告や取締役会による論議を重ねる取組みとともに、各事業の現場視察の実施は、執行状況の把握に資すると評価された。
  • ポストコロナにおけるリアルとオンラインの取締役会開催のバランス、ペーパーレスへの取組みなど、非常に効果的な運営がなされていると評価された。
  • 重要な将来テーマに関して十分な議論の時間を確保するため、今後さらにフリーディスカッションを活用することや、タイムリーな情報共有を継続することも必要との意見がなされた。
2023年度の取組み

継続的に、また新たに、当社の取締役が経営において議論を深めていく必要があると考えているテーマや、取締役会がさらなる機能発揮を果たしていくうえで有効である可能性がある取組みには次のようなものがあります。

当社ではこれらを念頭に置きながら、引き続き実効性を高める取組みを実施していきます。

<経営において議論を深めていくべきと考えるテーマ>

  • 目に見えない資産(ブランド、エンゲージメントなど)の評価および価値向上
  • ESG関連課題への対応方針
  • 資本市場との建設的なコミュニケーションに関する方針
  • DX/RDPによる新たな顧客価値創造
  • 事業ポートフォリオ、事業間シナジーに関する方針
  • パーパス経営の効果測定方針
  • サイバーセキュリティ体制を含むリスク管理方針

<取締役会のさらなる機能発揮を実現するために重視すべき取組み>

  • 論点志向による重要性の高いテーマに特化した重点的な審議
  • 取締役会本会議で審議すべき事項の明確化と事前説明会の有効活用
  • 現場視察を含む執行状況の把握に資する仕組みの確保
  • 社外取締役間や各法定委員会間のコミュニケーション・情報連携